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座間市の事件から考える。子どもに身に着けさせたい「規範意識」

座間市の事件から考える。子どもに身に着けさせたい「規範意識」

2017.11.07 | 品川裕香

神奈川県座間市のアパートで、男女9人の遺体が見つかるという事件が発覚しました。

 

容疑者の男性は、Twitterで被害者たちに連絡をとっていたらしいこと、東京都新宿区の歓楽街・歌舞伎町の風俗店に女性をスカウトする仕事をしていた際、年齢等を詐称する偽造カードを作っていたらしいことなどさまざまな報道がなされています。

 

この男性が本当の加害者かどうかも含めて、詳細については裁判がはじまるまで何もわかりません。

 

我が子が被害者や加害者にならないか

座間市の事件から考える。子どもに身に着けさせたい「規範意識」

 

こういった事件が起こると、多くの保護者から「うちの子は大丈夫だろうか?」という相談をいただきます。

 

実際、ここ数日、そういった相談をいくつもいただきましたが、保護者たちが言う「大丈夫か」には「被害者にならないか」だけではなく「加害者にならないか」という心配も含まれます。

 

100%被害に遭わない方法は残念ながらないので、少しでも遭う確率を下げるための方法についてこれまでも本欄で紹介してきましたし、今後も紹介し続けていきたいと思っています。

 

「規範意識」が及ぼす影響

座間市の事件から考える。子どもに身に着けさせたい「規範意識」

 

今回は、加害者のほうについて少々。

 

加害者、すなわち他者の権利侵害をする人にはいろいろなタイプがあるので一概には言えませんが、基本的に「規範意識」の形成に問題がある可能性が高いです。

 

規範とは、人間が行動したり判断したりするときに従うべき価値判断の基準のことで、規範意識とはそういった規範に基づいて判断したり行動しようとする意識のことを言います。

 

簡単に言うと、その人が所属する集団や社会の法律だけではなく倫理やマナー等を守ること。そして、これは日々の日常生活レベルから守るべき言動を指します。

 

規範意識とは

座間市の事件から考える。子どもに身に着けさせたい「規範意識」

 

たとえば…

・礼を言う・挨拶をする・人の話に相槌をうつ(無視するのはマナー違反です)。

・清潔に暮らし健康な生活を守る(これは自分のためでもありますが、不衛生な生活をして病原菌を蔓延させるのは倫理違反であり、時には法律違反にもなります)。

・お友だちを大切にする(友だちを無視したり排除したりするのは倫理違反ですし、それが攻撃行動になれば法律違反です)。

 

かように、遵法精神を含め規範意識は、大人になっていきなりできるものではなく、小さいうちからコツコツと地道に指導して身に着けさせていくものなのです。

 

規範意識の涵養は、小さな約束事を守る訓練を小さいうちから積み重ねるところから始まります。

 

朝起きたら挨拶をする。歯を磨く。毎朝バランスのよい朝ごはんを食べる。夜更かしをしない。時間を決めて行動する…。こういった「生活スキル」が規範意識の土台を作るのです。

 

言葉で伝えるより行動で見せることが大切

座間市の事件から考える。子どもに身に着けさせたい「規範意識」

 

よく「うちでも教えているが、なかなか子どもが守らない」という相談をいただくのですが、その際、私が必ず確認することは「保護者自身がモデルになるような言動をとっているか?」という点です。

 

子どもに「朝ごはん食べろ」と言って、自分が食べない。「ゲームばっかりやるな」と言って、自分はスマホばかりしている。「友だちと仲よくしろ」と言って、自分が友人の悪口ばかり言っている。

 

これでは、子どもに生活スキルは定着しづらく、規範意識の土台もなかなか育ちにくいと言えるのです。

 

どうして守られなくなっていくのかについては、またいずれに。

― おとずれるたびに、いい発見。EPARK ―

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品川裕香

品川裕香

教育ジャ-ナリスト・編集者。文部科学省中央教育審議会委員。元内閣教育再生会議委員。出版社で雑誌・書籍の編集に携わった後、独立。教育・医療・社会問題を異文化理解・予防的観点から取材執筆。著書に『いじめない力、いじめられない力 60の〝脱いじめ〟トレーニング付』(岩崎書店)、「『働く』ために必要なこと: 就労不安定にならないために」(筑摩書房)など多数。

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