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幼稚園を卒業するまでに育ってほしい10の姿〈前半〉

幼稚園を卒業するまでに育ってほしい10の姿〈前半〉

2017.10.17 | 品川裕香

「学習指導要領」という言葉を聞いたことはありますか?

 

これは、小・中・高等学校・特別支援学校の子どもたちにどういう力を身につけさせなければいけないか、そのために各学校は各教科で何を教えるべきかについて、文部科学省が学校教育法施行規則に基づいて決めたものです。

 

この学習指導要領に当たるものが、幼稚園や認定こども園にもあります。それが「幼稚園教育要領」です(厚生労働省が定める保育所保育指針にも同じ内容が記載されることになっています)。

 

この学習指導要領と幼稚園教育要領が、平成20年以来、9年ぶりに大きく改定されました。今回は、この幼稚園教育要領がどう変わったのか、簡単にポイントを説明します。

 

学習指導要領、幼稚園教育要領の改定

 

大きく変わったのは2点。

 

まず、「学習指導要領」に明記された、これからを生きる子どもたちに必要な資質・能力(1、知識・技能 2、知っている知識・技能をどう使えるか3、人間性等)の土台を作るために、幼児期が終わるまでに、以下の3つの資質・能力を身につけさせることを目指すことになりました。

 

(1)豊かな体験を通じて、感じたり、気づいたり、分かったり、できるようになったりする
(2)気づいたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする
(3)心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする

 

この(1)~(3)を身につけさせていくために、「幼稚園を卒業するまでに育ってほしい10の姿」として具体的に挙げたのが、2つ目の今回の大きな変更点です。

 

A、健康な心と体
B、自立心
C、協同性
D、道徳性・規範意識の芽生え
E、社会生活との関わり
F、思考力 の芽生え
G、自然との関わり・生命尊重
H、数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
I、言葉による伝え合い
J、豊かな感性と表現

 

あくまでも〝目標〟

 

これだけ聞くと、「うちの子はほかの子と比べてまだまだ成長がゆっくりだから、そんなのムリ!」と思うかもしれません。

 

でも、大丈夫。こういった姿を100%絶対に身につけなければいけないと言っているわけではありません。

 

あくまでも、小学校の学びにつながるように〝遊びや体験などを通して〟こういう力が少しでも身につくような方向で園も指導者も保護者も指導していく、というものです。

 

具体的にどういうことか

 

Aの「健康な心と体」とは、幼稚園生活のなかで充実感や満足感を持って自分のやりたいことに向かって、心と体を十分働かせ、見通しを持って行動し、健康で安全な生活を作り出すようになること。

 

Bの「自立心」とは、身近な環境に主体的に関わりいろいろな活動や遊びを楽しむなかで、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信を持って行動するようになること。

 

Cの「協同性」とは、友だちとの関わりのなかで、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感を味わいながらやり遂げるようになること。

 

Dの「道徳性・規範意識の芽生え」とは、友だちといろいろな体験を重ねるなかで、してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、友だちの気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになること。また、決まりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友だちと折り合いをつけながら、決まりを作ったり守ったりするようになること。

 

Eの「社会生活との関わり」とは、家族を大切にしようとする気持ちを持つとともに、地域の身近な人と触れ合うなかで、人とのさまざまな関わり方に気付き、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになること。また、 幼稚園内外のさまざまな環境に関わるなかで、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝え合ったり、活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切 に利用するなどして、社会とのつながりなどを意識するようになること。

 

家庭でも訓練できる

 

これで前半の5つ。一見、難しそうに思えるかもしれませんが、実はこれらは家庭でのしつけでも身につけさせることができるものです。

 

たとえば、Aのポイントは体を十分に動かせ、見通しを持って行動できるかが大事。横断歩道を渡るときは車が飛び出さないか自分の目で確認する、などと指導することもこの力の土台になります。

 

Bはやるべきことを自分で決められるように育てることがコツ。たとえば、ヨーグルトを食べる時に少量パックで渡すのではなく「自分のお腹と相談して食べられるだけ取りなさい、ただし残してはダメ」と大きいパックに入ったヨーグルトごと渡し、自分で食べる量を決めさせるなどです。

 

Dは家庭で決まり事を決め、守らせるところから。CDEは日々の生活のなかで我慢を教えることでも訓練になります。

 

F~Jについての詳しい説明は次回に。

 

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品川裕香

品川裕香

教育ジャ-ナリスト・編集者。文部科学省中央教育審議会委員。元内閣教育再生会議委員。出版社で雑誌・書籍の編集に携わった後、独立。教育・医療・社会問題を異文化理解・予防的観点から取材執筆。著書に『いじめない力、いじめられない力 60の〝脱いじめ〟トレーニング付』(岩崎書店)、「『働く』ために必要なこと: 就労不安定にならないために」(筑摩書房)など多数。

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