季節を感じる、暮らしの知恵サイト季節を感じる、暮らしの知恵サイト

  • twitter
  • facebook
  • follow us in feedly

tomoni料理 > 栄養を付けたい時の銀杏と湯葉の香港風甘いスープ

栄養を付けたい時の銀杏と湯葉の香港風甘いスープ

栄養を付けたい時の銀杏と湯葉の香港風甘いスープ

2017.09.13 | 森下典子

かれこれ20年、いや30年も昔のことになるだろう。何の番組だったかも忘れてしまったが、テレビで、アグネス・チャンが料理を作っていた。名前は覚えていないが、ギンナンと湯葉を使ったスープだった。

 

作り方は拍子抜けするほど簡単だった。私の記憶が正しければ、それはこうだ…。

 

まず、鍋に豆乳を入れて温め、その中に、殻と薄皮を剥いたギンナンを入れて煮る。さらに、干し湯葉をバリバリと割り砕いて入れ、煮る。最後に、氷砂糖で薄甘く味を付けてできあがり。

 

「香港では、よく食べます」

 

と、アグネスが言っていたような気がする。

 

ギンナンといえば、イチョウ並木が色づく季節、道端で拾っている人をよく見かける。免疫力を高め、疲労回復に効果があり、肺を丈夫にし、脳の中枢神経を活発にする…などなど、効能をたくさん聞いたことがあるが、日本では茶碗蒸しの中に一粒添えられていたり、焼いて塩をまぶして酒のつまみにしたりする程度で、料理の主役になることはない。

 

湯葉もそうだ。豆乳から作られる湯葉は、良質な植物性たんぱく質のかたまりでイソフラボンを豊富に含む。イソフラボンには女性ホルモン様作用があると言われ、更年期障害や骨粗しょう症の改善に役立つとされている。つまり、女性の守り神のような食べ物である。

 

…なのに、日本では精進料理か、料亭のお吸い物、あるいは煮物椀の中で見かけるくらいで、日常ではあまり食べる機会がない。

 

アグネスの「ギンナンと湯葉のスープ」をテレビ見て以降、私はちょくちょく、それを作って食べるようになったが、豆乳のほのかな甘さと、ギンナンのモチモチとした食感、それに湯葉の歯ごたえが合って、とても体に優しく、ヘルシーな味がする。

 

ギンナンは旬にたくさん買っておき、食べる時食べる分だけペンチで殻を割り、封筒に入れて電子レンジで加熱する。湯葉も、どうせ割って煮るのだから、製造過程で割れた「お徳用」をどっさり使っている。また、甘さ控えめにするために、氷砂糖ではなく甜菜糖を使っている。

 

ここ数年は、高齢の母も一緒に食べているが、

 

「私、これ大好き」

 

と、なかなか評判はいい。

 

ほんの数分で作れて、何より栄養豊富なギンナンと湯葉をたっぷり食べられる。

 

実は今回、初めてこの料理の名前をネットで検索してみた。「腐竹白果糖水」または「腐皮白果糖水」。「腐竹」「腐皮」は湯葉。「白果」はギンナンのことらしい。香港の伝統的なデザートスープで、夏の暑い日に食べるそうだ。

 

さらに、これにハトムギやゆで卵などを入れるレシピもあって、そうなると「意米」(ハトムギ)の2文字が加わり「腐竹白果意米糖水」。ハトムギは利尿効果があって、むくみを改善し、昔から美肌にも効果があると言われている。

 

女性の味方になる栄養がいっぱい入ったデザートスープ。これからギンナンが出回る季節にいかが?

 

関連記事

旬のさつまいもを味わえるモチモチ「さつまいも餅」

心を震わせてくれる一冊『夏の庭』

母が思い出した祖父のこと。思い出の詰まった「くるみ餅」

― おとずれるたびに、いい発見。EPARK ―

キーワード

森下典子

森下典子

1956年、神奈川県生まれ。日本女子大学文学部国文学科卒業。「週刊朝日」の名物コラム「デキゴトロジー」のライターを経て、「典奴どすえ」でデビュー。主な著書は『日日是好日 お茶が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫)、『いとしいたべもの』(文春文庫)、『前世への冒険』(光文社 知恵の森文庫、『猫といっしょにいるだけで』(新潮文庫)など。おいしさ さ・え・ら - カジワラ

投稿記事一覧を見る
季節を感じる、暮らしの知恵サイト

この記事が気に入ったら、
フォロー、いいね!しよう