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時短、簡単だけじゃない。シンプルなおいしさを味わうための一汁一菜

時短、簡単だけじゃない。シンプルなおいしさを味わうための一汁一菜

2017.08.22 | 横山かおり

毎日の献立を考えるの、本当にたいへんですよね。家族に栄養バランスよくたくさんの食材を食べてもらうため、一汁三菜を基本に献立を考えている人も多いのではないでしょうか?

 

一方で、「一汁一菜」をはじめとした料理を実践している方がいます。デザイナーであり、また家庭料理家でもある山下一樹さんです。

 

今回は一汁一菜料理について詳しく、山下さんにお話を伺ってみました。

 

手抜きではない一汁一菜

 

山下さんはデザイナーとしてお仕事をされる一方で、家庭料理家ということですが、なぜ一汁一菜をはじめることになったのでしょうか?

 

「デザインと民芸の関わりを勉強するために書店に行った時、何気なく手に取った土井善晴さんの『おいしいもののまわり』という本がきっかけになりました。そこには一汁一菜の大切さが書かれています。一汁一菜を基礎としながら『日々の小さな変化に気づくよろこび』が日本の美意識を育てているということ。これが私の目指していた普遍的なデザインと民芸の関わりにも重なる気がして、一汁一菜を体感してみようと思いました。今では、一汁一菜を実践される方も増えており、時短や手抜きではなく、20~30分でできる一汁一菜を考える『家庭料理家』となりました」

 

デザインと料理とはまったく違うお仕事のように思えますが、なんと共通するポイントがあったんですね。

 

一汁一菜というと「簡単そう!」というイメージもありますが、20~30分そこにかけるということはしっかり中身を詰まらせているということ。

 

どんなメニューを実践されているのか、気になります。

 

一汁一菜のポイントはみそ汁にアリ

 

忙しい日でも簡単に栄養価を高くとれる、一汁一菜を作るポイントを教えてください。

 

「みそ汁はその時に食べる人数分だけを作り、作り置きはしません。作り置きはまずくなります。それでは出汁を毎回取るのが面倒だと思う人もいるかもしれませんが、『みそ汁は出汁を引く』というのも固定観念です。具だくさんにすれば食材から出汁のようなうま味がでます。出汁入りではない、添加物のない味噌を用意しましょう。たとえば、豚キムチを作るように鍋で炒めたところへお水、最後にお味噌を溶けば豚キムチのみそ汁ができます。お豆腐を入れたり落とし卵を入れたりすれば、キムチ鍋のようなみそ汁になります。キムチや豚肉から十分なうま味が出ますので出汁はいりません。栄養を補うのに、さっぱりとしたしらす大根や豆ご飯を添えれば立派なお膳です」

 

みそ汁=出汁、ずっとそう思っていました。固定観念といえばまさにその通りかもしれません。

 

洋食を作る時は、野菜だけの出汁で立派なベースができますもんね。シンプルなおいしさを今まで邪魔していたのかもしれないと思うと反省です…。

 

 

「豚汁も一汁一菜には欠かせません。冷蔵庫にあるだけの野菜をたくさん入れますし、豚肉と一緒に炒めるのでこれも出汁いらず。出汁を入れてしまうと味が重なりあい、素材の味が分からなくなります。豚汁は定食の脇役的なものですが、主役にしてしまえばそれに添える主菜は漬け物のようなシンプルなもので十分です。お揚げさんも油で揚げたものですから、油のうまみがあり、日常のみそ汁としては出汁を入れなくていいと思います。小松菜とベーコンを炒めてみそ汁にもできます。これもうま味がありますが、ベーコンの塩分を考えて味噌は調整すればよいです。みその量を自分好みに調整できるのも、みそ汁の自由さならでは。みそ汁に卵を落とし入れることが多いのですが、卵を器に割って静かに入れ、その後は触らないでおくと玉子が濁りにくくなります。みそ汁がお揚げさんや野菜中心であれば、これらと栄養バランスのいいお魚などを主菜にして一汁一菜の完成です」

 

小松菜とベーコンなんて洋風、炒め物のイメージもありますが、アレンジ次第でみそ汁にも使えるんですね。

 

たしかにみそ汁が具だくさんだったら、主食や主菜は主役じゃなくなるのかも。でもそれでしっかり栄養がとれるのだったら問題ありません。

 

みそ汁だと普段野菜を食べない子どもも食べてくれそうですし、いろいろな具でチャレンジしてみたいですね!

 

みそ汁から献立を考える

 

一汁一菜をはじめてから、何か変わったことはありますか?

 

「一汁一菜では、『一汁』をまず考えます。味噌は体にやさしいだけでなく、本当に万能な調味料なので、旬の野菜をたくさん、お肉や卵など色々な食材が合います。それで十分なおかずになりますから、ごはんとお漬物があればお膳の基本が完成します。余裕があれば、みそ汁に合いそうな主菜・おかずを考えます。今まではまず主菜から、食材や献立を考えて億劫になっていたのですが、みそ汁を中心にすることで、主菜を考えることが不思議と楽になりました。『今日は具だくさんの豚汁だから、主菜は肉ではなくお漬物だけでいい』とか、『野菜と卵のみそ汁なら魚を焼こうか』という具合です。魚と、煮物にお野菜と…などと考えなくても、旬のものや素材をシンプルに料理できる献立へと変わりました。料理をするということは1日3回、一生続くものですから、これは精神的にも楽になります。一汁一菜にしたらもっと料理をする気になったという声も聞きます。それまでの私の料理はもっと単純で、ワンプレートで食事を済ませていたことも多かったのですが、食事をすることの充足感もなかったと思います。一汁一菜はたいてい野菜が入りますし、量もちょうどよいので食べすぎず、体にもやさしい献立になります。お豆腐やネギといったみそ汁の固定観念を外すことで、自分だけの、栄養のある一汁一菜がどんどんできると思います」

 

みそ汁を中心に考えていく。これは意外な考えでしたが、たしかにいつも主菜から考えて献立が行き詰まっていました…。

 

みそ汁といえばワカメとお豆腐、ネギとお豆腐…などとありきたりなものが多かったですが、試しに一度みそ汁からしっかりと献立を立ててみるといいかもしれませんね。

 

自分なりのこだわりを持ってみよう

 

一汁一菜を作るにあたり、何かこだわったほうがいいことはありますか?

 

「どんな形からでも一汁一菜にトライしてみていいと思います。たとえば『うつわ』や一汁一菜に欠かせない『お膳(丸盆)』にもこだわってみてもいいでしょう。綺麗な瑠璃色の六角皿をみつけて、『これには玉子だろう』『緑の野菜も入れてみたい』など私は思うのですが、それで一汁一菜を完成させるのも献立を考えるきっかけになります。『うつわに合うお膳はどうしよう』も同様です。こうしたものは民芸によって生まれていることが多いのですが、やはり日常にとけ込む民芸品と料理の調和が、私の一汁一菜・食事を楽しいものにしてくれています。主張のない飽きのこないうつわ・お膳を作ってらっしゃる作家さんには本当に尊敬しますし、インスタのフォロワーさんもそこの感性が高い方が多いように感じます。調理でのこだわりは、盛り方よりも切り方に気をつけています。盛る前にはまず包丁ですから、『おみそ汁の青葱はこう切ってみよう』『お豆腐の角をきちんと立つようにしよう』という具合です。一汁一菜での調理はほとんど包丁で済むことが多いので、たとえ忙しくても切り方、その大きさなどに気をつけています。切り方にこだわりができれば、なんとなく料理が上手になったような気になります。そうすると料理が楽しくなりますよ」

 

 

山下さんはInstagramも随時更新されています。そこに投稿されているものは確かにうつわも素敵なものばかり。同じ一汁一菜でもうつわを変えるとこんなに雰囲気が変わるのかと驚かされます。

 

うつわや切り方へのこだわり、いつも何気なくしていることもこだわりを持ってひとつひとつしっかりしていくと、いつもの料理もひと味違って楽しむことができるかもしれません。

 

ただ時短、簡単だから一汁一菜をしているのではなく、シンプルなおいしさをしっかり味わうための一汁一菜。ぜひ試してみたいですね!

 

たくさんの一汁一菜メニューが投稿されていますので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。

 

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― おとずれるたびに、いい発見。EPARK ―

横山かおり

横山かおり

昼間は子育てに励み、子どもたちが寝たあとで執筆活動をしているフリーのママライター。日常が楽しくなるような情報を発信していけるように模索中。夢はひ孫の顔を見ること。

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