スーパーママ特集の3人目は、子育て漫画が大人気の前川さなえさん。最新の著書「ハンドメイドで楽しい毎日! わるのりてづくり」(二見書房)では、仕事に限らずプライベートのハンドメイド作品についても紹介しています。イラストやハンドメイド、SNSの活用までとても精力的!そして、おもしろそうなことに貪欲な、そのキャラクターも魅力的です。
今回は、著書「ハンドメイドで楽しい毎日! わるのりてづくり」や、作品づくりについてお伺いしました!

前川さなえさん
三重県出身・在住のイラストレーター・漫画家。育児ブログ(ぷにんぷ妊婦~育児編~)とハンドメイドブログ(クリママ!~CreativeMama~)にて日々の出来事を掲載。最新刊「ハンドメイドで楽しい毎日! わるのりてづくり」などの著書も多数。小学生の兄妹2児の母。
前川さんのクリエイティブの源
「わるのりてづくり」に掲載されていた、着せ替えハンコや頭のお花がかわるマスコット、持ち輪などアイデアがすごいと思いました。アイデアの源は何ですか?
「最初はオーソドックスなものを作ろうとしているはずなんですが、作り進めていくうちに『これこうしたら面白いんじゃないかな』と思うと、もうどんどん横道にそれていっちゃうような流れですね。だから上手い方に転がるばかりじゃなくて失敗作も多いです。数撃ってる中にまれに良作がある、くらいの感じです」
ブログもとてもネタが豊富です。何かあった時に記録しているのでしょうか。
「手帳やスマホのメモ機能でささっと覚え書きをすることもあるのですが、“コトが起こった”時ってだいたい書き留めたりできる状況じゃない場合が多いので、ほぼ頭で記憶するだけですね。で、案の定忘れちゃうんで、なんかすごく面白かったはずなのに、日の目を見なかったネタがかなりあるはずです。メモをあとから見ても自分で意味がわからない時もあります。『バナナ 負け組』とだけ走り書きしてあって、なにコレ…?みたいな」
「わるのりてづくり」を読むと、普段からお子さんのおもちゃなどの創作に励んでいるような印象がありました。仕事や家事、ものづくり(お仕事以外の)は、どのように時間や労力のバランスをとっていますか?
「どのようにと言われると困ってしまうのですが…だって、私の場合ぜーんぜんバランスなんてとれてないから。皿洗ってなかろうが洗濯もの畳んでなかろうが、子どもと一緒に遊んだり、何か作ったりする方を優先させてしまうので。家事はオット(旦那さんのこと)がかなりサポートしてくれるので甘えていますが、お仕事はクライアントさんに迷惑かけられないし代わってもらうこともできないので、夏休みの宿題状態で夜中までやっていたりします」
旦那さんは前川さんと同じく在宅でお仕事をされているそう。旦那さんの手助けがあるからこそ、仕事も含めて好きなことや楽しめることに打ち込めるのかもしれませんね。
「家事にしても育児にしても、完璧にはできっこないのだから『まあいいか』くらいの感じでやってますが、私がわりと自由にできているのはオットの理解が大きいです。仕事に関しては、読者のみなさんに楽しんで読んでもらいたいと思って描いているので、やはり自分も楽しい気持ちで描いていたいという気持ちがあります。だからブログにもネガティブなことや、ただの愚痴になるようなことは描かないようにしています。なので煮詰まってしまいそうになったら、一旦全然関係ないことして息抜きしたりしますね」
前川さんのブログを見ると、くすっと笑えるものや驚かされるものがたくさん。その裏には、前川さんの「楽しんで読んでもらいたい」という想いがあったのですね。
お気に入りや人気の作品
前川さんが作られた物で「傑作だ!」と思う作品はどれですか?
◆羊毛フェルトの猫ブローチ
「羊毛フェルトで動物のブローチを作る時、頭部だけならわりとすぐできるんですけど、体までつけるとバランスもむつかしいし、時間がかかるわりに足とか手とかって、表情の顔に比べてなんか作っててもつまんないし。でも、顔だけだとなんか生首みたいだから、サムシングを足すことで顔だけで完結するようなデザインにならないかと考えた時『そうだ、去勢したての猫みたいにエリザベスカラーをつけてみよう!』と。なんでそう思ったのかよくわからないんですけど、実際作ってみたら予想以上にかわいくて。自分で気に入ってるのに比べて、まわりの評価はそこそこだったのが残念なんですけども。あと、金持ちの家の壁にあるような鹿の剥製っぽいのも考えたんですが、ブローチにした時、ツノがじゃまになりそうだなと思ってやめました」
インパクト大!まわりの反応はそこそこだったとのことですが、逆に今までで一番反応がよかったものは何ですか?
◆妖怪ウォッチグッズ
「妖怪ウォッチブームがピークだった時、息子はダンボールでウォッチやメダルを自作してたんですが、それがボロボロになってきたので『おかあさん作って』と言われて。『買って』じゃなくて『作って』って言われたのがうれしかったので、100均とかで材料を集めてそれっぽいものを作りました」
「化粧品のチークのケースに、市販のメダルを入れてみたらサイズがピッタリだったのにはガッツポーズしましたね。特殊なペンで描いた妖怪を、ウォッチの裏面に仕込んだライトで照らすと浮かび上がるギミックもつけました。とは言ってもSNSにあげた時は、チープなおかん工作を笑ってやってください、くらいのつもりだったのですが、予想外に高評価でびっくりしました」
ものづくりの失敗話があれば教えてください。
「庭でブラックベリーが採れるので、よくジャムを作るんですが、雑貨屋で買ったちょっとおしゃれなガラス瓶に、できたて熱々のジャムを入れたら、耐熱じゃなかったみたいで、蓋をしようと持ち上げた瞬間に底がパーンッと抜けました。真紅のブラックベリージャムが当たりに散乱して、さながら事件現場のように…」
今後作ってみたいなと思っているものがあれば教えてください。
「最近、私や子どもたちがレトロゲームにハマっているので、ドット絵に魅力を感じるようになって。クロスステッチやアイロンビーズでちょこちょこファミコンのキャラクターを作ったりしてるのですが、時間ができたらドラクエの戦闘画面やスーパーマリオの1-1を横に長く全部、みたいな大作に挑戦したいです。もちろん子どもを巻き込んで!」
憧れママはパーマンのママ!
憧れのママや参考にしているママはいますか?
「これホントにずっと思ってるんですけど、漫画『パーマン』の(パーマンの正体である)ミツ夫くんのママです。ミツ夫くんは、ガン子ちゃんという妹がいて、この子がミツ夫くんの行動をすぐママに告げ口するんですよ。で、ママはミツ夫くんに説教するんですけど、一度『今度はガン子ちゃんの番です』と言って、そんなにやたらと告げ口をするものじゃない、とガン子を諭すんです。うちの子もお兄ちゃんと妹ですけど、やっぱり下の子は要領がよくて。ミツ夫くんのママみたいにどちらの立場も考えた対応をしたいと常に思っています。『パーマン』はよい漫画です」
ものづくりや何か熱中できるものがほしいと考えているママにアドバイスをお願いします。
「まずは身の回りのちょっとしたものを『買う』ではなく『作れないかな』って考えるところから始めてはどうでしょうか。我が家はみんなほしいものがある時、『じゃあ作ってみよう』から入るんです。できあがったものを自分で使っているところ、もしくは飾って愛でているところを想像すると、制作過程も楽しいと思います。そのうち『自分のため』のものから『大切な人のため』に作る楽しみに変わってくると、それがセカンドステージです」
ものづくりのマインドはとにかく楽しむこと、よろこんでもらうこと。ここに尽きるかもしれませんね。
手作りのことは日々ハンドメイドブログで更新していますよ♪

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