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GW明けは不適応が始まりやすい季節。子どもの心身の変化に要注意

GW明けは不適応が始まりやすい季節。子どもの心身の変化に要注意

2017.05.10 | 品川裕香

具体的な調査結果があるわけではないのですが、取材をしていますと、環境が変わったり、嫌なこと・苦手なことや思い通りにいかないこと、友だちとの些細な行き違いやトラブルなどを経験することで登校渋りが始まりやすくなります。

 

回復するケースがある一方で、その登校渋りがきっかけでそのまま学校に行けなくなるなど、何らかの不適応状態になる子どもが増えていると指摘する教師などが少なくありません。

 

そして、不適応は、新学期が始まって1か月くらいしてからポツポツと目立ち始めるのです。

 

大人の支援が必要

 

言うまでもありませんが「不登校は絶対にダメだ、何があっても学校に行かなければならない、学校に行かないことはいけないことだ」と言っているわけではありませんので、そこは間違えないように。

 

いじめや排除、差別、暴言、暴行などを教師や同級生らから受けて「行きたくても行けない」「これ以上行ったら自分が壊れてしまう(だから行かない)」などの子どもたち、発達に課題があるのに理解されずニーズに応じた教育も受けられず居場所を失う子どもたち、几帳面でまじめな性格ゆえ頑張りすぎて息切れしてしまい焦りや不安が強くなって行けなくなる子どもたちは確実にいます。

 

そういう子どもたちはしっかり休養を取ったり、安心安全を実感できる学びの場を準備したり、専門家の指導や支援を受けることも重要です。そして大人はそうできるように用意する必要があります

 

子どもがストレス耐性が弱い場合の対応

 

が、冒頭で指摘しているのは、「ストレス耐性が弱い」ケースのこと。

 

以前、本欄で「子どもたちに待つ経験を積極的にさせよう」と書きました。そのなかで「我慢強さは生まれつきではなく、小さいうちから満足を遅延させるための訓練を繰り返す必要がある」とお伝えしました。

 

ストレス耐性が弱いのは、その経験が少ない、「忍耐力」が育っていない子どもたちのケースです。

 

たとえば、小1のAちゃんは、GW明けのある日、友だちと放課後遊んだ翌日から「学校に行きたくない」「友だちに会いたくない」と言って休むようになりました。登校時間にはベッドからでてこないAちゃんですが、お昼前くらいには元気になりゲーム三昧に。

 

そんな日々が1週間続くと、そのうちそれまでできていた「嫌いなモノも食べる」「片づけをする」を渋るようになり、やがて「お菓子は食べるけどご飯は食べない」「小1なのに深夜1時2時まで起きてゲームをやる」ように。その間、学校には一度も行こうとしませんでした。

 

当初は、親の知らないところでいじわるでもされたのではないかと心配していたAちゃんママも、そんな日々が2週間以上続いたあと、娘を問い質します。すると、学校に行かなくなった理由は、「一緒に遊ぶ約束をした友だちが他の子も誘ったことが嫌だったことと、誘われた子のことが好きじゃなかったから」で、「嫌なことをしようとするとお腹が痛くなる。だから学校にはもう行かないと決めた」ことがわかりました。

 

Aちゃんはすでに「学校に行かない」ことにしていたので「学校に行きなさい」と言われても嫌なことは聞きたくない姿勢を貫きました。

 

生活リズムを立て直す対策を

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この段階でお手上げになったご両親から相談を受けたのですが、実際に会ったAちゃんは私にも「頭やお腹が痛くなるから嫌なことをするのは無理」と断言。

 

そこで、まずは規範意識と生活リズムの立て直しのために家族の役割とルールを決めること、役割とルールを決めるときは保護者がある程度望ましい方向をいくつか決めた上で子どもに選択させて最終決定すること、決めたルールは家族全員徹底すること(子どもには守らせるが親は守らないはNG)、ルール違反したときにどうするかも子どもと相談しながら決めておくこと、目標を設定することを勧めました。

 

また、同時に休んでいる間の勉強の遅れを取り戻せるよう従妹の高校生に家庭教師をお願いすること、身体を鍛えるためにも本人が憧れていたダンスを習わせることなど提案しました。

 

結局、7月に一度登校し、2学期になってから徐々にではありますが登校するようになり、3学期には多少休みがちではあるものの通えるようになりました。

 

解決策はひとつではない

 

子どもが不適応を起こす理由は千差万別ですし解決策も千差万別、一筋縄ではいきません。

 

だからこそ、日ごろから食事の様子、食欲、睡眠時間、トイレの様子、学校の様子、どういう友だちがいて何をしているかなど行動観察(監視や支配ではありませんので要注意)し記録しておくことが有効になります。

 

また、日ごろから1分でも多く子どもと会話をしたいもの。「あれをしなさい」「これをしてはいけない」など指示(しつけ)はしても、親子間で双方向の自由な会話をする時間は少ないケースが多いといのが取材を通しての私の実感です。

 

記録を取らなくても、毎日、双方向の会話を続けていくことで、何か異変があったとしても気づきやすくなりますし対処しやすくなります。

― おとずれるたびに、いい発見。EPARK ―

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品川裕香

品川裕香

教育ジャ-ナリスト・編集者。文部科学省中央教育審議会委員。元内閣教育再生会議委員。出版社で雑誌・書籍の編集に携わった後、独立。教育・医療・社会問題を異文化理解・予防的観点から取材執筆。著書に『いじめない力、いじめられない力 60の〝脱いじめ〟トレーニング付』(岩崎書店)、「『働く』ために必要なこと: 就労不安定にならないために」(筑摩書房)など多数。

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