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学習能力や記憶力を上げるには、「海馬」を発達させる生活を

学習能力や記憶力を上げるには、「海馬」を発達させる生活を

2017.01.25 | 品川裕香

大脳の奥の方、中心部分に「海馬」という部位があるという話を聞いたことがありませんか?

 

この海馬は、アルツハイマー病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)、鬱病になったりすると萎縮するなどの変化が見られることで知られていて、人間の学習や記憶、情動やストレス反応などの調節に重要で、最近は精神疾患との関係からも注目を集めている領域です(Leuner & Gould, Annual Review of Psychology, 2010)。

 

しかも、この海馬では生涯にわたって新しい神経細胞が生まれることも知られています(Ming & Song, Annual Review of Neuroscience, 2005; Zhao et al., Cell, 2008)。

 

神経細胞は鍛えて強くする

子どもの学習能力や記憶力を上げるには、海馬を大きくする生活をさせよう

 

さて、ここからが本題。神経学者のファトゥヒ博士の報告では、こういった神経細胞の多くは、せっかく新しく生まれても何もしなければ発達しないのだそう。

 

裏を返せば、新しく生まれた神経細胞を鍛えて強くすることは可能なんです。

 

まずおすすめなのは適度な運動。習慣的に運動をしている人の海馬はそうではない人の海馬よりもずっと大きいことが報告されています。でも、これは一般的にもよく言われていることです。

 

ファトゥヒ博士の研究によると、生まれたての未熟な神経細胞でも、適切な栄養と十分な酸素、脳由来神経栄養因子(脳細胞を増やすために必須の神経系のタンパク質)、適度な刺激があればちゃんと発達します。

 

具体的には、オリーブオイル、オメガ3脂肪酸を含む食材とナッツ類などを摂ると海馬のサイズが大きくなり、記憶力も上がったとか。

 

また、ストレスを減らし、瞑想するというような生活スタイルを送ったり、言葉など何か新しい事柄を学ぶことでも、神経細胞は発達し海馬は大きくなります。

 

海馬に悪影響な習慣

でも、怖いのは、海馬は簡単に縮まりもすること!

 

ストレスが多かったり、不安が強かったり、鬱を治療していなかったり、肥満だったり、糖尿病を治療していなかったり、座りっぱなしの生活を送っていたり、ジャンクフードばかり食べていたり…。

 

このようなことを数か月続けるだけで海馬が委縮するリスクが上がる、と同博士は警告しています。

 

子どものためにできること

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じゃあ、今日から子どもにできることはなんでしょう?

 

・栄養バランスのよい食事を三食きっちり食べる(ご飯やパンなど糖質だけにしてない? ジャンクフードばっかりじゃない? 何より大事なのは毎日何をどう食べているかです)。
・1日トータルで1時間以上、身体運動する(歩くなど)。
・新しいことをはじめる。
・語彙力を上げることで、ストレスに気づき対応できるようにする(人間は言葉で思考するので、語彙力が弱いと深い思考ができず自分の課題に気づけない)。

 

語彙力の上げ方などについては、またご紹介します。

― おとずれるたびに、いい発見。EPARK ―

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品川裕香

品川裕香

教育ジャ-ナリスト・編集者。文部科学省中央教育審議会委員。元内閣教育再生会議委員。出版社で雑誌・書籍の編集に携わった後、独立。教育・医療・社会問題を異文化理解・予防的観点から取材執筆。著書に『いじめない力、いじめられない力 60の〝脱いじめ〟トレーニング付』(岩崎書店)、「『働く』ために必要なこと: 就労不安定にならないために」(筑摩書房)など多数。

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